ご挨拶
はじめまして。ぽかぽかライフ訪問看護・リハビリステーション所長の福井香苗と申します。
私はこれまで看護師として、消化器内科・外科、泌尿器科、一般内科、整形外科、産科といった診療科で勤務してきました。また、重症心身障がい児施設、介護老人保健施設、訪問看護など様々な施設でも経験を積んでまいりました。
これまで看護師として働いてきた中で、「自宅で生活をしたい」「人生の最期は自宅で迎えたい」と希望されるにも関わらず、それが実現することなく辛い日々を過ごされている患者さんに出会うことがありました。介護や看護を必要とする状況でも自宅で過ごしたいという思いを持たれている方は沢山おられますが、訪問介護や訪問看護のサービスを利用しなければ実現は困難であり、それを提供できる施設も限られているのが現状です。これからは看護を必要とされる方がもっと増えてくる見込みですが、まだこういったサービスを提供している事業所は十分とは言えず、より一層地域医療の充実が求められています。
介護や看護を要する状態になると、ご家族だけで対応していくことはとても大変です。ご家族は介護によって仕事を辞めなくてはいけないケースもあると思います。また、お一人で暮らされている方は日々が本当に不安でたまらないことでしょう。
在宅での介護の悩みは、実は排せつ(排便や排尿)の介助が90%近くを占めています。排せつ介助の負担はご家族のストレスとなり、在宅療養をためらう要因にもなっています。私自身も実父が認知症を患い、自宅でトイレではない所に排尿や尿がたっぷり吸収されたパットが転がっていたり、廊下に便が転がっていたりなど、本当にビックリしました。またその片付けをするたびに、「どうしてこんな事になったのか・・」と思い悩むこともありました。
実母は癌を患いましたが、「死ぬその瞬間は病院だとしても、家で好きなことをして過ごしたい」という願いがありました。その思いを家族皆で受け入れ、自宅で看取る事を決めました。痛みを取り除くために薬を使いながら、好きなテレビを見て、可能な限り自分で料理をして疲れたら寝るという生活をし、住み慣れた自宅で思いのままに生活を送っていました。そして意識がなくなる直前に「好きにさせてくれてありがとう」という言葉を残してくれました。
こうした実体験があるからこそ、ご利用者様やご家族の気持ちに寄り添うことが出来ると信じていますし、在宅での療養がご家族皆さんにとって有意義な形になるようにお手伝いしたいと思っています。
前述のように、介護の悩みに「排せつ」の問題は付きものですが、その悩みに対応できるよう「おむつフィッター資格」(むつき庵認定講師)を有しており、排せつに関するお困り事を一緒に解決していけるようこれからもさらに勉強していきたいと思っています。
私たちは、様々な疾患を持つ方々が「自宅で安心して生活が送れるように」
「人生最後の時を住み慣れた地域での暮らしが継続できるように」尽力します。
ご家族はもちろん、地域医療に携わるすべての方々と連携しながら、ご利用者様やご家族が安心して生活していけるようサポートさせていただきます。
ぽかぽかライフ訪問看護・リハビリステーション所長
福井 香苗
